ハッピーエンド

不安が爆発するのを回避するためのもの

どこかへ

いつもどこかへ行きたいと思っている。しかし明確にここに行きたいという場所があるわけではない。ただどこかここじゃないところへ行きたい。知らない場所へ行きたい。

眠れない時、夜から朝に変わるくらいのぼんやり明るくなり始めた窓の外を見てまたどこへも行けないまま、わたしのまま今日を過ごすのかとうんざりしていた。夏の終わりの匂いはどうも不安定になる。雨上がりのように少し湿気を帯びた新しい、そんな匂いがする。なにも新しくなっていないわたしはどうやって生きればいいのか。

自分を知る人が周りに増えることで、自分はこうあるべきだという強迫観念にかられる。全て無しにできれば自分のままでいられる気がする。定期的に友人関係をリセットする人間がいるらしい。煩わしさからの解放のためだろうか。しかしわたしにはその勇気がない。なので物理的に人間関係を終わらせている。それは職場を変えること。いい年齢ではあるので仕事を続けたい気持ちは大いにある。しかしそれ以上に家族以外の自分をよく知る人に囲まれて生活することが苦痛でならない。だからやめるのです。

どこかへ行かなくてもいろいろリセットできる方法。ただある程度の期間は働くのでLINEやら電話帳には仕事関係の人の名前が増えていきます。